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【歯医者】私は歯医者恐怖症「です」から「でした」になるかもしれない【無痛治療】

 

歯医者さんに厳格さは要らないなって。

つくづく思うんですよね。

もちろん内内で確固たるポリシーや情熱を抱えていらっしゃることは有難いのですが。

それを圧を伴った「厳格」さで患者側に表に出されると…あの…

怖いんですよ。

 

私は、歯医者がすごく怖い人間です。

怖くて怖くて怖くて怖くて怖い。痛くなくても痛くても怖い。

靴を脱いでスリッパに履き替えた時点で身体がこわばる。椅子を倒された時点で呼吸が荒くなる。カチャカチャと器具の音が聞こえた時点で白目になる。ウィーンとスイッチが入った器具が口の中に入った時点で走馬灯が見える。

とにかく怖い。怖いとしか言いようがない。

もともと嫌いですけど、昔はここまでじゃなかったんですよね。今は嫌いとかじゃなくて怖い。嫌いを完全に超えた。

動機が激しくなるとか冷や汗が滲むとか、身体的に反応がハッキリ出るレベル。

「歯医者恐怖症」という言葉が最近ありますが、それに当てはまると思います。

トリガーは2回ありました。

小さい頃に行った歯医者がすこぶる荒くて全ての過程で痛みを強く伴ったこと。そこで歯医者=嫌、苦手になりました。

でもそれぐらいはまぁまぁ一般的な歯医者嫌いの範囲だと思うんです。

決定的だった2回目が5,6年前。

癖が強すぎるラーメン屋の頑固オヤジ大将的な、威圧感バリバリの歯医者さんの治療を受けてしまったこと。

今でもあの空間、あの時間はなんだったんだろう…?って思うぐらい、めっちゃくちゃ怖かったんです。荒かったんです。

たぶん…「歯」そのものに対しては真面目で真剣。むしろ歯しか見えねぇ!!っていう真っしぐらな情熱屋さん。

だから、歯の持ち主の本体が何をどう感じるかに関しては意識が希薄。

癖が強すぎるこだわりの説明タイムの中、何か質問をするとピリっと空気が変わる。お喋りするなと、俺が差し出したラーメンを黙って食えと。

口の開き方、器具の当て方がいちいち荒い。少し痛がるそぶりを見せるともろにイラついてるのが伝わる。

更には、看護師さんにも怖い!べらんめぇ口調で怒る怒る。これ最悪じゃない?

私、従業員を客の目の前で怒るラーメン屋絶対無理なんですけど。いやほとんどの人が無理だよね?

極め付けが、治療中に「舌打ち」をされたんですよ。。。

決して本体(私)にではないと思うんです。納得のいくラーメンを作れなかったことにだと思うんです。

その日はちょっと難しい治療でかつ麻酔が思ったより効かなくて今までになく痛みが強くあり、痛いという合図を送っていたのですが…あ、やっぱり私への舌打ちか。

今、私の口の中というデリケートな場所の完全なる支配者が、心を少しも開けない相手だという哀しい事実。

痛くて辛くて怖くて…「あーもう無理だぁ…」となって、だからといってどうすることもできなくて、30歳すぎて歯医者で泣きました。

というか、涙が勝手にツツーと流れました。

涙ツツーのまま痛いまま手荒く治療は終わり、看護師さんにはすっごく謝られたんです。看護師さんのせいでは全然ないのに。※そういうアメムチプレイで患者を調教してたらどうしよう

 

まぁなんでそんな歯医者に行ったんだっていう話ですが、その院長がどれだけ情熱を持って治療に取り組んでいるかというインタビュー記事を何かで読んだからなんですよね。

確かに情熱はあった。むしろ歯への情熱しかなかった。労わりとか共感力とかなかった。あったのかもしれないけど私には感じられなかった。

「ちょっと痛むよー」とか「ここ痛いけど我慢してねー」とか言ってくれるだけで全然違うのに。

歯医者恐怖症って経緯は人それぞれあると思いますが、私の場合は「痛みを感じていることを訴えても汲み取ってくれない他者(それも本来信頼すべき相手)と対峙した恐怖」が一番の理由なような気がします。

私の情報収集能力も相当甘かったと思いますし、違和感を覚えた時に他のところに変えたら良かったんですよね。そこは反省しています。

 

当然舌打ち事件以降は、違う歯医者さんに変えたんですけど、問題は深刻化しており…「もう前の歯医者さんじゃないんだから」と、気持ちは切り替えているつもりなのに、身体がめちゃくちゃ怖がってる。

優しい歯医者さんでも治療の内容に関わらず、前述した身体的な反応が出るようになってしまったんですよね…。

「え、待って待って、私、ここまで怖かったっけ?」って動揺しました。

騙し騙し行っていましたが、毎回身体と心の疲労が限界。インターバルが2週間は必要でこのままではいつまでたっても治療を完遂できない、こらあかんとなりました。

 

そこでタイトルにある「無痛治療」。

私と同じように極度に歯医者が怖い人は、きっと一度は検索でたどり着いたことがあるんじゃないかなと思います。

無痛治療とは簡単に言うと、「静脈麻酔で寝ている間に治療しちゃうよ」というものです。難しく言ってもたぶんそういうものです。

※追記訂正:申し訳ありませーん!!無痛治療=静脈麻酔法ではありませんでした。無痛治療の歯医者の中で静脈麻酔法を行っているところもあるというものでした。

いわゆる普通の無痛治療の病院にも行っておりましたが、もはや痛みは関係なく、心理的な恐怖なので、意識がある状態での治療が厳しく静脈麻酔にたどり着きました。

 

私は昨年から無痛治療を行っている歯医者さんに通っているんです。

結論:解決しました。

全ての恐怖と痛みが取り除かれました。だってスーピースーピー寝てるだけだから!

目が覚めたらボーっとするのが落ち着くまで少し休んであとは帰るだけ。

痛くない以外にも、一気に何本もしくは何段階も治療できるというメリットがあります。

歯医者通いがなかなか終わらない…っていう経験皆様構ありますよね?

今回はここまで今回はここまで、でゴールいつよ!?っていう。

これは保険治療の制限のある中ではやむ得ないことなんです。

では自費治療で治療時間を長くとって治療しようとなったらなったで、意識ががある中〝口をずっと開けているのが辛い〟という問題が出てきます。

私は最初の無痛治療で2時間。寝ている間に、2本の根管治療となんか他にも色々なことをしてもらいました。

多忙で歯医者の時間をこまめに取れないという人も通っているらしいですよ。

 

聞いて欲しいのがここから。

良いことはこれだけに留まらず、先日思いもよらない奇跡が起きたのです。

今は人生初のセラミックを入れる為に通っているのですが、なんとなんと…

普通に治療を受けられたんです。静脈麻酔なしで。

前提として、その時は痛みはほとんどない治療だったんですけど時間は結構かかる治療。

「今回どうします?」っていう感じで打診があった時、驚いたことに「大丈夫です」と言っている自分がいました。

正直治療中は「ぎょえ〜〜〜〜〜〜〜!!!」って叫びたいぐらいキツかったんですけど、それでも「ぎょえ〜〜〜〜〜〜〜!!!」メインで、身体がこわばる、動機が激しくなる、冷や汗が滲むなどは3分の1ぐらいで済みました。

「ぎょえ〜〜〜〜〜〜〜!!!」って心の中で叫べるうちはまだ元気なんですよ。

本当に本当に怖いと、フリーズして心の中でも言葉を失いますからね。

無痛治療によって「よっしゃ歯医者ちょろいわー!」という気持ちのゆとりが出てきたことで、歯医者への恐怖が和らいだんだと思います。

あと一番大事なこと。

何より何より担当の歯医者さんの人間性なんですよ。

めちゃくちゃ柔和で醸し出す空気が軽いんです。圧迫感ゼロ。

でもって、察する能力が高いー!!会話が軽快ー!!質問しやすいー!!踏み込んでこないー!!距離感抜群ー!!何もかも委ねちゃいそうー!!

慣れてる。一言でいうとえらい慣れてる。でもそれが全然嫌な感じじゃない。

その手慣れたコミニュケーション能力は笑気ガス以上の効果が確実にありました。

 

私が今の所感じる無痛治療のデメリットは費用が高いというところだけです。

歯医者恐怖症の人にとっては、それ以外はメリットしかないと思います。

私としては、「これからはちょっとずつ普通に治療を受けれるかもな」と、そう思えたことが最大のメリットで、「あの歯医者さんとは違う」という気持ちの切り替えをしっかりできたことが一番嬉しかったです。

過去を乗り越えて前に進むってこういうことかなって…。なんか泣けるー!私だけかな?